精神科医からのアドバイス-体だけでなく心も触れ合わせる

肉体の衰えとともに生じる精神とのギャップ

生殖機能は衰えても雄の本能は衰えず!?

人間の本能として、性欲の根本にあるのが「種の保存」。男性の場合は高齢になってもまだ生殖機能は役割を果たせるが、女性の場合は40代になると生殖機能が著しく低下。本能としての性欲が失せてくる。それを女性は自覚し男性は認めたがらない。加齢とともに肉体は衰えても、精神的な部分は衰えない。気持ちの衰えを知らない人に限って肉体の衰えが顕著だと、心と体にギャップが生じて精神的に落ち込むことになりかねない。それは性欲と性機能にもあてはまること。だから、若い頃のような勃起力がなくなると男性は落 ち込みがちになる。そう分析するのは精神科医の高木希奈先生。

年を重ねるごとに大切になってくる心の愛撫

体だけでなく心の愛撫の重要性を認識しよう

 人間がセックスする理由から「種の保存」を除くと「オーガズムを得る」という目的がある。オーガズムを得るだけなら自分でオナニーするという手段もあるが、パ-トナ-を必要とするセックスでは二人でなければ得られない快感を味わえる。自分では得ることのできない快感を、与えたり与えられたりしてお互いに享受し合えるのだ。

それは、セックスの最中に女性が見せるちょっとした恥じらいや男性の何気ない気遣いなど、些細な行為が相手の琴線に触れることで体のセンサーが敏感になり得られるもの。

「セックスの快感は、体の愛撫と同時に心を愛撫することによって得られるんです。その快感は、オナニ-で感じるものより、はるかに官能的なものです」(高木先生、以下同)

肉体を刺激する愛撫のテクニックも確かに重要。しかし、女性を本当に満足させ、イカせるためにはそれだけでは不充分。男性の場合、女性の肉体を愛撫するテクニックを重視しがちだが、心を愛撫する テクニックが伴ってこそ、女性は本当のエクスタシーを味わうことができるのだ。

「セックスがマンネリすると、多くのカップルはフィンガーテクニックやクンニ、フラチオの仕方を変えるなど、体を刺激するためのテクニックの改善に走りがちです。確かに、一時的には刺激や興奮が高まるかもしれませんが、実際にはすぐに飽きてしまいます。身体的テクニックでマンネリが解消されるのは一時的なことなんです」

心の愛撫の仕方を知つているカップルは、マンネリに陥ることはないという。

肉体の面積や性感帯には限りがあり、年齢とともに受け止められる刺激も変わってくる。しかし心には限界がない。肉体は衰えても心は衰えない。人間誰しも年をとり肉体は衰える。特に男性は勃起力が低下することでその現実を目の当たりにする。すると、勃起しないのを補うため指や舌を駆使したテクニックを磨こうとする。

しかし、いくら頑張ってもそれだけでは女性は満足できない現実を、男たちはそろそろ知るべきだ。

コミュニケーション不足が セックスレスを招く!

 少子化に歯止めがかからない原因のひとつに、男女のセックス回数の低下があげられる。それを証明するかのように、年々セックスレスカップルが増加しているのだ。

全国の男女3千人を対象に実施された厚生労働科学研究班による調査によると、2 010年にはセックスレスカップルが40.8%にも達し、年々増加傾向にあることがわかつた(上グラフ)

セックスレスカップルの問題として考えられるのがコミュニケーション不足。一緒に楽しめる共通の趣味があるなど、普段のコミュニケーションを図れる手段があれば問題はないのだが、それすらなくセックスもしないとなると〃愛情確認作業〃が全くないことになる。これでは二人の関係も冷えきったものになりかねない。

「セックスはしなくてはいけないものと思い込んでいる人があまりにも多いんじやないでしょうか。セックスに代わる愛情表現、コミュニケーション手段があるのであれば、無理してセックスする必要はないと思います。共通の趣味などなくても、普段から何気ない感謝の気持ちを、ちゃんと言葉で伝えること。そういうことを心がけるだけでも随分違うと思いますよ」

このように普段の生活の中で感謝の気持ちを伝え合うことも大事。これも心の愛撫。ベッドの中だけでなく、日常的に優しい言葉をかけることによって、例え勃起しようがしまいが、ベッドの中ではお互いの気持ちがより強く通じ合えるようになるのだという。

女性にとってのセックスは、必ずしも揷入にこだわっているわけではない。自分にどれだけ優しくしてくれるか、どれだけ愛情を注いでくれているかということが大切なのだ。だから、揷入よりもそこに至るまでの過程のほうを、女性は重視する。本来、男と女ではセックスに求めものが違うのだから、勃起力がなくなったからといってそんなに悩むことはない。そういわれると、多くの中高年男性はプレッシャーから解放されるのでは?

男のセックス思考回路をそろそろ変えてみよう!

 「女性の場合は肉体的なものより、精神的な充足によって得らる満足感のほうが大きいんです。年齢とともに、その比重は大きくなると思います。なので男性に求められるのは包容力であったり優し さなんです」

挿入できないのであれば、愛撫やオーラルセックスだけでも充分。男性は揷入ありきでセックスを考えているので、勃起しないとセックスできないと思っている節が強い。だから勃起力が低下すると 悩み、ストレスが溜まってさらに症状を悪くする。〃セックスは揷入だけが目的じゃない〃という思考回路になれば、悩みやプレッシャーから解放され、勃起不全の改善にもなるかもしれない。

ちなみに、成人が長期間セックスしないでいるとホルモンバランスが乱れ、肉体的にも精神的にも悪影響を及ぼす可能性が高い。一般的なのが情緒不安定になったり鬱状態になるなどの症状が見られ る更年期障害。女性特有の症状と思われていたが、最近では男性にも同様の症状が多くみられるようになっている。こうした障害も、まったくセックスしないより、愛撫や肌を合わせるだけで回避で きる可能性は高い。

「更年期になるとわけもなくイライラしたり気持ちが不安定になりがち。一緒になってイライラして文句を言ったりせず、お互いにそういうものだと思って優しく受け止めてあげてください」

人生の過渡期でもある中高年世代。セックスのあり方も見直してみてはいかがだろう?

 

 

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